映画アクアマンのレビュー 2/5

映画レビューのコーナー。今回はDC期待の新人!?アクアマンをご紹介します。ネタバレがありますのでご注意ください。

アクアマンはDCコミックのヒーローで、海底人と地上人のハーフと言う設定。DCコミックと言っても日本ではみている人も少ないので一般的なヒーローとはいいづらいでしょう。ほぼ、この作品を見て初めて知る人が多いものと思われます。

とにかく全体的に荒い

細かい話をする前に全体的な感想を述べさせていただくと、とにかく荒いんですよね。キャラ設定やメカデザインやCGや脚本や、もうすべてが荒い、っていうか雑。先日ジョジョ展を観に行ったんですが、荒木先生はキャラクターに関して50以上のプロフィール設定を作ってからストーリーを考えるそうです。

本作そういうの無いです。適当に生まれた主人公が適当にドーン!バーン!みたいになって最後うわー!ってなって大団円する映画なんで、え、この人どうやって育ったの?とか、何してご飯食べてんの?みたいなの無いんです。クソみたいな弟が出てきて暴れるんですが暴れる理由もよくわからず。最後ニコール・キッドマンにヨシヨシされて投獄されるんです。まじで意味がわからない。

ストーリーが適当なんでグラフィックで処理できたらいいんですがスターウォーズEP8みたいに金もかかってないんでそこまでいけるわけもなく…暗い画面でわーわーやってるなんかよくわからない映画みたいな感じになってしまっている気がします。とにかく荒い。

キャラクター設定が甘すぎる

主人公はゲーム・オブ・スローンズでも有名なジェイソン・モモアさんなわけですが、外見がワイルドなんでとにかく悪役っぽい。それはいいとして、やんちゃな感じなのかと思いきや突然イタリア語を話し始めたりやたら神話に詳しいのが親父が歴史マニアだからなどといい出すわけでキャラ設定がやんちゃなのか悪人なのかインテリなのかブレブレなわけです。

そもそもお前無職なの?ヒーローで食ってるの?と主人公の職業がわからず、海から上がってきていきなり親父とバーで飲み始めたり、さらにファンと写真をとるということは結構有名なの?と思わせておいて、アクアマンって誰?みたいな新聞記事が置いてあったりとまじで生態がわかりません。君は有名なのか正体を隠してるのかはっきりしなさい。登場人物については全員そんな感じで設定がガバガバで終始困惑しっぱなし。

要素が多すぎる

最近のDCムービーにありがちな、要素を詰め込みすぎてわけがわからなくなるパターンを今回も綺麗に踏襲しています。とにかく続編を見据えてキャラを出しまくるパターンはThe mummyでもSuicide Squadでも、え、ここでジキル博士!?え、ここでジョーカー!?とやらかしてきましたが、今回は、え、土偶!?です

観てない人は訳がわからないと思いますが本当に土偶が出てくるので気をつけて観ておいてください。

海底人の権力争い、馬鹿な弟、地上人の裏切り者、強いおかん、海底の謎クリーチャーなどなど、各人が自分の思惑で好き勝手やっててストーリーを追うのが本当に疲れます。

要素が多すぎるがゆえに各人の説明が削られて、常時え?何今の?と困惑しっぱなし。

イケてないメカデザイン

映画といえばメカと思っている私。ブレードランナー、エリジウム、スターウォーズシリーズ、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーなどが大好きなわけですが、アクアマンのメカデザインがマジでイケてない。一番やばいのは土偶です。お前せっかくもらった武器をなぜ分解して悪い方向に魔改造する!?そのままにしとけばいいのに!

また、潜水艇や武器なども悪くいうと安っぽい90年代映画みたいなデザインで非常にイケてない。

さらにいくつか異形のクリーチャーが出てくるんですが、ほぼほぼパシフィック・リムのカイジュウのパクリでこれもイケてない。イケてない地獄です。

アクションシーンは良かったのか

パシフィック・リムもそうですが、水中もの映画の最大の難点として画面が暗くなりがちになること。本作も案の定画面が暗くて動きが多くてわけのわからないシーンが連続します。スターウォーズの特徴ですが宇宙、宇宙船内、地上戦などと複数シーンを分割しながら見せるスタイルって特に画面が暗くなりがちな映画にぴったりだったんですね。飽きが来ない。アクアマン、ずっと水中なのでずっと暗いです。飽きます。

CGはところどころクリーチャー造形が甘い部分などがありアラが目立ちます。特にトライデントを守ってるやつがひどかった…力尽きたのか?デザイナー。

ストーリー

キャラ設定やその他が雑なので、もちろんストーリー全体もかなり厳しいです。弟がクソ野郎なのはわかるけど、糞になる理由がよくわからない。とにかく登場人物全員に行動原理がちゃんと与えられてないので理由がわからないんですよね。

例えば、主人公って勝手に地上で育ったのかなと思いきや、実はウィレム・デフォーが教育してるんですよ。ええ!?お前なんも知らない体だったけど実はちゃんと事情把握してるんやないか!って思うじゃないですか?すべての要素が唐突でとにかく、え?そうだっけ?あれ、そうだったの?みたいな意外の連続なわけです。こんな話、面白いわけないですよね…

主人公とヒロインがイタリアで追われるシーンも、敵が一回屋内に落っこちてそれから追跡するシーンがあるんですが、なぜか屋根の下から追跡しているカットが死ぬほどある。これはなんか意味あるんか??と思ってみてたらぶっ飛ばされて死んでるし。一事が万事こんな感じです。

まとめ

最近のDCは特に要素ぶっこみすぎて訳が分からなくなるパターンを続けてますが本作も悪いところだけを踏襲してしまった感じがしました。何も考えないで観てアクションだけを楽しむワイスピタイプの映画かとも思いきや、ワイスピほどに人物設定が練られているわけでもないのでとにかくディテールが気になる。退屈すぎて退出レベルではないので1評価にはならないですが、面白くなかったので2かな…というところ。

唐突な設定変更なども多く観ていてしんどかったです。個々の要素はそこまで悪くないので完全に編集と脚本でミスってる感じですね。DCはこっからジェームズ・ガンとジョス・ウィードン(ともにマーベルのトップ作品を担当していましたね)で盛り返せるのかが肝になると思います。最近のDCを観てるとやっぱりマーベル映画の作り込みが本当にすごいなと思いますね。

まーでもわかるよ、金のかけ方がマーベルとDCは違いすぎる、こればっかりはしょうがない。とは言えアベンジャーズは今年4月26日に続編が公開されます。前作のエンディングが衝撃的だっただけに続編の公開はとても待ち遠しいですね!

 

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