何気なく使っている空気清浄機、実は寿命に来ていたり、意味がなくなってたりすることってご存じですか?今日は空気清浄機を買い替える上で考慮すべきことを色々ご紹介したいと思います!
空気清浄機に大きな違いはない!
まず、一番大事なのはこれです。空気清浄機の機能で本当にオンリーワンな機能ってほぼないのです。なぜなら、空気清浄機ってファン回してフィルタに空気通すだけなので、差別化するとしたらフィルタ性能かセンサー感度、エアフロー(どれだけ効率的に部屋の空気を浄化するか)です。ただ、フィルタは性能を上げれば上げるほどエアフローが悪くなるので、どのメーカーもHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタです。0.3マイクロメーター以上の粒子を99.97%以上捕捉できる性能をもち、初期圧力損失が245Pa以下のものです。これと脱臭フィルタ(大体活性炭)で臭いとホコリやPM2.5を取り除くわけです。
1万円ぐらいの空気清浄機は大体この機能だけ。2万円~になると加湿機能やその他のイオン放出などがついてきます。15畳ぐらいのリビングで考えると、最近は加湿空気清浄機で3万円~ぐらいを見ておくと良いでしょう。
多くの家電メーカーではそれでは差別化ができないので、プラズマクラスター、ナノイー、ストリーマ放電などのイオン系機能やスマホ連携などの付加価値を付けて5万~10万円台の空気清浄機をラインナップしています。しかし、本質的にはフィルタに空気を通しているだけというのは忘れないでください。つまり、付加機能の有無で迷ったら無しでも大差ない、むしろデザインなどが気に入ったものの方が良いでしょう。
イオンって意味あるの?
プラズマクラスターの発生器が詰まった空気清浄機を長年使った経験から考えると、プラズマクラスターやナノイー等のイオンの意味はほぼ無いと思います。これは個人的な感想ですが、空間中のウィルスを殺せるぐらいなら今頃コロナウィルスなんて全滅してますし、風邪にかかる人なんかいなくなってるはずですよね。エアコンのプラズマクラスター発生器にカビがはえているのを見たときに、私は全てを悟りました。
もちろんオゾンによる脱臭効果は認められていますので消臭の意味はあるかもしれませんが、「○○イオンが付いているからこのメーカー」という選び方は空気清浄機に関してはしなくても良いと思います。HEPAフィルタと脱臭フィルタで大抵の問題は解決します。
空気清浄機の寿命って何年ぐらい?
一般的に空気清浄機についているHEPAフィルタは10年ぐらいの寿命と言われています。なので、交換すればいいわけですがその時に本体を買い替えてしまうのが衛生的にもよいと言われています。10年?なら大丈夫!と思ったあなた、もう2021年ですよ!10年前は2011年ですよ!特に、空気清浄機のフィルタは心臓部ですが、これが詰まっちゃうと紙パック満タンの掃除機で掃除しているようなものなので、本体にも良くない状態になっちゃいます。なお、フィルタ寿命は10年ですが、本体は6年程度が目安とされています。
さらに問題なのがイオン発生機。特に、プラズマクラスターイオン発生機には寿命があり、交換ユニットも存在しています。プラズマクラスター7000の場合は設定されていませんが、実際に私が使っていたものは数年でゴミが付着してイオンが発生しなくなりました。分解して端子を綺麗にしたらまた復活しましたがこれはいかがなものかと…ちなみにプラズマクラスター25000の場合はユニット交換が可能です寿命は2年で3000円~5000円ぐらいします。シャープの空気清浄機は安いんですが10年使うと考えると、15,000円はかかると考えたほうがいいでしょう。
加湿機能って必要?
空気清浄機は加湿機能付きが主流です。なにせ加湿器を別に置かなくていいので便利ですよね!ただ、臭くなったり音がうるさかったりって不満もありませんか?加湿機能のメリット/デメリットを考えてみました。
メリット
- 別に加湿器を買わなくていい
- 空気の管理を一括でやってくれる
- 電気代は気化式なのでお得
デメリット
- 気化式なのでメンテナンスが面倒
- メンテを怠ると不衛生になる
- 夏場はまったく使わない
- 交換部品が増える
やはり一番のメリットは別に加湿器を買う必要が無いことです。加湿器ってこだわると結構大きなサイズになるのでこれは最大のポイント!しかし、空気清浄機の加湿器は気化式のものが多く掃除を怠ると雑菌をまき散らすことになるので注意が必要です。また、夏場は完全に不要になってしまうので冬が終わったらお掃除する等季節ごとのメンテナンスも必要ですね。大体湿度が下がる10月ぐらいから3月ぐらいまで使うイメージでしょうか?
個人的には、メンテが面倒じゃなければ加湿機能は付いてると便利です。もともと空気清浄機って空気が綺麗になるサーキュレーター的な意味もあるので、それに加湿機能が付いたら冬場は3得ぐらいになります。ただ、メンテを怠ると雑菌散布マシンになるので、めんどくさがりの人は単機能の空気清浄機で良いと思います。安いし無名メーカーのもので良ければ謎にデザインがいいものなどが選べます。逆に大手メーカーは加湿機能付きのものが多いので選択肢は狭まります。
加湿機能の掃除って面倒?
空気清浄機の加湿機能の掃除箇所は大まかにどの機種でも一緒で、以下になります。
- 気化フィルタ
- 水トレイ
- 水タンク
特に水トレイはヌルヌルになって雑菌の温床になりますので、定期的な掃除が必要です。余談ですが、このヌルヌル、正体は繁殖した雑菌の分泌物質です。空気清浄機の加湿器掃除はこのトレイ掃除に全てがかかっていると言っても過言ではありません。基本的にどのメーカーも1ヶ月に1回~2週間に1回は掃除しろと書いていますが、本当にそれぐらいやった方が良いです。
具体的な掃除方法ですが、おすすめはトレイの中にクエン酸入れて浴槽の中とかで丸ごとつけ置きするのが楽。数時間浸けといたらシャワーで流せば大丈夫です。気化フィルタは小さいので同じくクエン酸まぶしてバケツや洗面台でつけ置きすると良いでしょう。
まぁ正直なかなか面倒ですが、メンテナンスフリーの加湿器ってなかなか無いので仕方ないでしょう。加湿器と言えば象印が有名です。これもメンテナンスフリーなわけじゃなくて、湯沸かしポットと同じ構造(タンクを加熱してお湯を沸かすだけ)なのでメンテナンスが楽ってことです。
水タンク容量に注意
コンパクトな機種に多いのですが、水タンク容量が少ないものはそれだけ頻繁に水をいれないといけないことに注意しましょう。500ml/1時間の加湿能力がある加湿器に水タンクが3リットルの場合はフルパワーで加湿すると6時間でタンクが空になります。1日2~3回の水補給を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだと思いますが、3リットル以下のタンクの機種は「タンク容量が少ない」という評価が入りがちに見えます。
ただ、これは善し悪しでタンク容量を大きくするとそれだけ水が貯まっている時間が長くなり、これはすなわち雑菌の繁殖を助けることにもなります。水タンクが小さければ頻繁に新しい水が供給されるのでそれだけ水道水中の塩素による殺菌も見込めます。個人的には2.5リットル以上入れば良いんじゃないかと思っています。
むしろ、加湿も常時全開で回ってほしくて、加湿器ってとにかく水が入ってると雑菌が増えるので、常にONならどんどん水を使って新鮮な水が供給されるので衛生的だと思うんです。なので水タンク容量は気にした方が良いとは思いますが、小さいのが絶対ダメとは思わなくていいでしょう。また、勿体ながって湿度を低めに設定すると、加湿器が止まる時間が長くなり、その分水が滞留して腐ってしまいます。加湿器は常に全開&水はなくなったらすぐ補給をすると良いでしょう。
有名じゃないメーカーの空気清浄機ってどうなの?
最近、中国製のよくわからないメーカーの空気清浄機などがAmazonでもよく売られています。実際どうなの?という感じですが、空気清浄機の基本原理ってとても簡単で、プレフィルタで大きなゴミを除去した空気をHEPAフィルタ(もしくはそれに近い目の細かいフィルタ)と脱臭フィルタに通してゴミと臭いを取って室内に戻すというもの。あとはセンサーやイオンなどの付加機能や、モーター音や風切り音がどれだけ静かか、加湿器の加湿能力がどれだけ高いかというポイントになります。
空気をフィルタに通すのはとても単純なものなので、加湿機能が無い空気清浄機はノウハウなどがあまり必要無く作りやすいのがポイントですね。Amazonで空気清浄機で検索すると大量に引っかかるのもそういった単純な空気清浄機が多いでしょう。
有名メーカーでないもののデメリットは交換部品の有無かと思います。空気清浄機のフィルタはメーカーや機種によって形状が違うので専用のものや専用に作られた互換品が必要です。気づいたらフィルタが無くなってる!というのはよくある話ですね。ただ、こういった中華空気清浄機は1万円以下で安いのがポイントですので、数年で買い換える前提であれば問題ないんじゃないでしょうか。
背面吸気か側面吸気かが最大のポイント
空気清浄機選びで私が一番大事だと思うのは吸気方法です。特に背面からしか吸えない機種は壁にベタ付けで使えないのが非常に不便。シャープの機種は背面吸気のものが多いですね。
一方、側面や360度で吸気できる空気清浄機は置き場所を選ばないのがポイントです。おしゃれ家電で有名なバルミューダのものは正方形なので前後、左右選んで設置することができます。おしゃれすぎてあまり評価が良くないですが…
ダイキンの空気清浄専用モデルでは27センチ四方と非常にコンパクトなものがあります。ただ、サイドはバルミューダほどおしゃれじゃないので向きを変えるのは厳しそう
加湿機能付きのタイプもあります。高さがありますがシンプルでおしゃれですね。
背面以外から空気が吸えるタイプだと設置場所に自由度が産まれるのでいいですね。特に正方形だと向きを変えることができるのも良いと思います。
使える広さには気をつける
空気清浄機は○畳用みたいな感じで広さが基準になります。これは単純にモーターで回せる風量とフィルタの広さの違いですね。安いからと言って広い部屋に6畳用とかを買っても効果が薄くなります。基本的には部屋の広さに合わせて選ぶのがポイントですね。また、空気清浄の広さと加湿の広さは違うので気をつけてください。加湿可能な広さの方が狭いので、加湿範囲に合わせて選びましょう。
寝室で使うならセンサー感度調整を確認!
リビングだと気にならないのですが、寝室に置く場合センサー感度の調整ができると良いでしょう。ペットがいる場合などは特に、夜でも寝室で臭いやホコリの原因が生まれます。センサー感度が調整できないと深夜に轟音で回り始めたりするので感度を下げてあまり敏感に反応しないようにできると良いでしょう。
メーカー別のポイント
正直モーターでファンを回して空気吸って吐くだけなのでもはやHEPAフィルタ付いてりゃどれでもいいのでは?と思うのですが、メーカー別に注意ポイントをまとめてみました。
シャープ
シャープはなんと言っても安いのがポイント。ただ、プラズマクラスター発生器は7000の機種は交換不可。25000の機種は交換できますが1個3000円~なのでその分のコストを織り込んで考えましょう。10年使うと考えたら1万円~1.5万円はかかると考えるとコストメリットはそこまで無いかなと思います。あと、形が壊滅的にダサいのが多いです。
ダイキン
ダイキンは国内メーカーにしては珍しく大きいのと正方形のコンパクトタイプを販売しています。↓こういうのと
↓こういうのですね。吸気が側面になるので、置き場所によってはこっちの方がすっきりします。
ダイキンのクソなポイントは家電量販店向けに型番違いを大量に作っているところで、価格.comで引っかからないようにする施策をいまだにやっているところです。ビックカメラのこれとAmazonのこれは同じ製品ですが型番が微妙に違います。他にもヨドバシ用やジョーシン用などアホみたいに型番違いの製品があるので、価格比較する際は注意が必要です。MCK55-○○の後ろ部分が違うだけなので、この部分を抜いて検索すると良いでしょう。ただ、デザインはマシなものが多い印象で、黒や茶色もあるので選びやすいかと思います。
Panasonic
パナソニックは良くも悪くもパナソニックらしいデザインのものが多いですね。最近は次亜塩素酸水で空間除菌?できるという製品を出しています。
6畳スペースの空間に浮遊するウィルスを20分で99%以上抑制できるらしいです。マジか…ホントなら人類はコロナに勝てるのでは??と思いつつ、次亜塩素酸は消臭効果はものすごいので除菌よりも消臭目的で買うといいのかも?と思いました。ただ、12万とめちゃくちゃ高いです。
アイリスオーヤマ
どうなんでしょう…正直よくわからないのですが、Amazonの評価見ると結構低いのが気になるメーカーです。安くてそこそこデザインという点では良さげですし、加湿機能が無くてシンプルなのも良いと思います。プラズマクラスターやナノイーといったイオン機能が必須じゃ無くて加湿機能もいらないならこの丸っこいの結構おしゃれでいいかなという気がしました。
というわけで今回は空気清浄機についてお届けしました!